初めてのベースアップ

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ヤナギグループは決算が9月なので、4月から下期に入りました。下期のスタートにあたり、私が社長になってからはじめて全社員の給料をベースアップしました。

 

当たり前ですが社員は全員非常に喜んでくれ、この決定に対して反対する社員は一人もいませんでした笑。

 


定期昇給とベースアップ(ベア)は違います。

 

定期昇給の仕組みは数年前からYGにはすでにありましたが、ベースアップは初めてです。しかも全社員対象にかなりの額をベースアップしました。

 


ちなみに会社はベースアップする義務はないので、ほとんどの会社はやりたがらないのではないでしょうか?私もその一人でした。

 

なぜなら固定費(人件費)が増えるからです。実際今回のベースアップで、ヤナギグループ全体の人件費は年間で約1000万円以上あがることは確実です。

 

 

ということはベースアップして利益が1円も増えなかったら、単純に利益が1000万円なくなる、ということに直結します。なのでこのベースアップは私にとっては本当に、本当に、勇気のいる決断でした。世の経営者も同じだと思います。

 

 


ベースアップに至った理由は大きく2つあります。

 


①人材戦略
「現在は販売戦略ではなく人材戦略の時代だ」これは私の経営の師匠である小山社長から繰り返し指導を受けていることです。

販売を伸ばしてもそれを誰がやるのか?人繰りが上手にできない会社はこれから倒産していくという話です。

 


人の採用、定着を考えたときに給料は非常に大事な要素になります。

 


将来の成長戦略を考えたときに、優秀な人材の確保、貴重な人材の流出を避けるためにもベースアップは必要である、
と考えました。

 


②自分は何のために経営をしているのか

 


ヤナギグループには経営理念はありません。

 

経営理念と同等のものとして、
会社の存在意義があり、これを毎日全社員で唱和しています。
その中に、「社員の成長と幸せを実現させる」という言葉があります。

 


幸せの定義は人それぞれだと思いますが、働く社員にとっての幸せとは何か、
私なりに定義しているのは
1永続性 2成長(やりがい) 3待遇 4夢・目標の実現
だと思っています。

 


毎日安心して働ける職場があり、やりがいのある仕事を通じて自分の成長を感じることができる。そして豊かな生活を実現するために充分な収入があり、休みもきちんととれる。

 

会社で働くことと自分の夢・目標がリンクして毎日が楽しく充実している。

 


そんな理想のダイアモンドカンパニーを実現したい、というのが今の私の一番の目的、モチベーションでもあり、会社を経営している理由でもあります。

 

その目的実現のため、今回は待遇の向上に着手した、ということです。
今の自分の給料が高い、安いという感じ方は人それぞれだと思いますし、
いろいろ調べましたが、給料の相場というのもなかなかわからないというのが現実です。

 


しかし毎日頑張ってくれている社員の給料をあげることは、社長の大事な仕事だと私は思っています。今回のベースアップで社員の生活がより豊かなものになり、働く意欲が更に増してくれれば私としては嬉しいです。

 


54期の上期は色々と苦労することが多かったですが、下期、全社一丸となって頑張って8期連続増益を絶対に達成させようと思っています。

 

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柳 慎太郎                足立区で創業60年をこえる老舗企業
カクシングループの代表取締役(3代目)
趣味はテニスとゴルフ