トップの仕事は同じことを言い続けること。

  • access_time2015年06月5日
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社長という立場上、社員の前で話をするという機会が多いのですが、

最近つくづく思うことは、自分の話していること、考えていることを相手に伝えるのは、本当に時間・労力がかかるということです。

 

例えば、当社ですと毎週月曜日は全体朝礼があるので、全社員が集まります。そこでは必ず社長として私が話をする時間があります。

週1回のこととはいえ、全社員が集まり、私の話を聞いてくれるわけですから、今自分が考えていること、今会社がやるべきこと、などを出来るだけみんながわかるようにと準備をして臨みます。当然緊張もしますので、それなりに負荷がかかってくる仕事の一つです。

 

その時に、この話は以前もしたから今日は別の話で、なるべくみんなの役に立つように、やる気になるように、ということで毎週毎週色々な話をするのはダメです。

結局何も伝わりません。

 

こちらの真剣な思いとは裏腹に、月曜の朝一番から、たいていの社員はまともにこちらの話を聞いていないと思った方がマトモです。(もちろん真剣に聞いてくれている社員が一部いるのも事実ですが)。

 

社員からすれば、週末遊び疲れて、寝不足だったり、飲み過ぎだったりしているわけです。

そんな状態で毎週毎週社長が次から次に新しい話をしたら、鬱陶しいことこの上なしです(笑)。

 

なので、社長としての正しい姿勢は毎週毎週、毎月、毎年でも大切だと信じていることは、同じことを言い続ける、ということです。

そうすることでようやく、「そういえばそんなこといってたな」位には浸透していきます。

一回話しただけで、理解し実践できるような人はいません。

 

私の師匠も言っています。「同じことを言い続けられる社長は超一流。毎回違う話をする社長は二流だ。」

本当にその通りだと思います。

 

私もたまに社員に聞くのですが、「先週僕が朝礼でどんな話をしたか覚えている?」「えーっと、たしか・・・なんでしたっけ?ウニャウニャウニャ。」

だいたいこんなものです。嘘だと思ったら、試しに自社の社員さんに聞いてみてください。きっとショックをうけますよ(笑)。

 

私もそうでしたが、同じことばかり話す社長ってちょっとダサいと思ってました。違います。知ったかぶって毎回毎回色んな話をする社長の方が実はダサいのです。

 

 先日我が社でこんな嬉しいことがありました。毎年、賞与前になると、私は全社員と面談をしています。60人以上の全社員と面談をするので、なかなか体力を使います。

その面談のやり方は統一しているので、同じやりとりを毎回繰り返しています。

面談の最初の私からの質問は、3年間一度も変わることなく、

「Aさん、今回の賞与の査定期間は何月から何月ですか?」

でスタートします。

今回は全社員が一人も間違えることなく、「はい。10月〜3月です。」と即答できました。

 

私は感動しました。たったこれだけのことですが、毎回必ずトンチンカンな返答をする社員がいたのです。それを根気づよく、教え続けて全社員が共通の認識を持てた、というのは非常に意味のあることだったと思います。全員が即答できるまで3年間かかりました。

 

社長が大事だと信じたことは、何度でも言い続ける。それが社長の大切な仕事。「社長またおんなじことをいっているよ〜」社員からそんな言葉が出れば、それは社長として最高の勲章です。

 

このことを胸に刻み、今日も私は同じことを社員に言い続けます!!

 今期の我が社のテーマは「スピード決定・スピード実施」

まだまだ繰り返しが足りていないな。

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柳 慎太郎                足立区で創業60年をこえる老舗企業
カクシングループの代表取締役(3代目)
趣味はテニスとゴルフ