10年単位で取り組む

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「売上は1年で伸ばせる、利益を出すのには3年かかる、人を育てるのには10年かかる。」
僕の尊敬する経営者から教えてもらった言葉です。
なるほど、ほんとにその通りだなと思います。


世の中、「売上10倍!!半年間で300%アップ!!」とか派手な謳い文句の元、多くのセミナー講師が乱立していますが、本当に儲かっている人ってごく僅かです。
実際にすべての会社の決算書を見たわけではないですが、セミナーのプロモーションをやっている人たちが口をそろえて言っているので、まあそんなもんじゃないかなと。

 

ある一定の成功パターンがわかれば、あとは広告宣伝費を使いまくれば、売上を伸ばすのは簡単です。
1年間で売上10倍だって、夢じゃありません。

 

でも売上伸ばすだけでは、利益は残らないですよね。
それに伴い、経費もすごい勢いで増えていきますから。

 

まずは単純に問い合わせが増えますから増員が必要になります。
そのために採用費が増え、人件費は当然増えます。
商品によっては、土地、システム投資が必要になるかもしれません。

 

受注体制、生産性アップをしたり、ありとあらゆる工夫が必要になるので、その商品・部署が利益を残すようになるには、だいたい3年くらいはかかるものです。

 

そして人の育成は・・・?
これは一番時間がかかりますね。
手間がかかります、お金もかかります。
扱うものが<人間>なので、まあ自分の思い通りにはいきません。
人はそんなに簡単に成長しないし、変われないからです。
人を育てるには、本当に忍耐が必要ですね。

 

だから10年はかかるよ、と言っているわけです。
でもだからこそ、ライバルが簡単に真似できないのも人の教育、人材なんですよね。

 

ビジネスモデルは簡単に真似出来ます。
でも、同じようなことをやっていても、うまくいく会社といかない会社があるのは、この人材力の差です。
これは一見すると目に見えないので、わかりづらい差別化のポイントです。

 

何事も10年続ける覚悟で取り組めば、人の教育以外でも大概のことは人とは違う成果が得られるのかもしれません。

 

とはいえ、目先の利益も大事です。でも目先の利益だけで動いている経営者は、10年単位で取り組んでいる経営者には絶対に勝てない。

 

なかなか悩ましいですが、結局は目先の利益と長期的に回収していく利益のバランスですよね。

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柳 慎太郎 足立区で創業50年をこえる老舗企業
ヤナギグループの代表取締役(3代目)
趣味はテニスとゴルフ